学校への道のり。
「おはよー! ユイ!」
駅を出ると、いつものように待っていたノゾミが声をかけてきた。
あたしは、マスク越しに小さな声で「おはよ」と答えて歩き続ける。
「今月号のMyanMyan見たよ! またユイの表紙じゃん!」
「ありがと」
この子は、あたしが虐められていても、何故か側に居てくれる。
苛められてるようになってから話すようになったクラスメイトの女の子だ。
いや、そもそも苛められてから誰にも話しかけられなくなり、この子だけがあたしに声をかけてくれているだけなんだけど。
あたしの唯一の友達って言ってもいいのかな?
見た目は、黒髪のショートで醸し出している大人しい雰囲気。
全然知らなかったけど、以前までいじめのターゲットにされていたらしい。
「そろそろドラマの出演オファーとか来たりするんじゃない!? 憧れるなあ。そういう世界。もしかしたら、俳優の進藤ユウキくんにも会えるかもしれないし! 共演なんて事になったら!」
ノゾミは、話しながら勝手に興奮している。
「でも、進藤ユウキってゲイなんでしょ?」
ノゾミには言えないな。
進藤ユウキから、しつこいほどメールが来てるって。
大丈夫。ゲイじゃないよ。
完全な肉食系。
あたしたちは他愛もない会話を交えながら、学校の校門まで続く道を歩いた。
