毎朝、玄関の扉を開けるのが憂鬱だった。


この扉を開けたら、また今日がスタートする。


外に出たら、一日が始まるんだ。


あたしは、玄関のカウンターの上にわざとらしく置かれた雑誌に視線を落とした。


今月号のMyanMyanだ。


その表紙になっている女の子は、輝かしい笑顔を浮かべている。


ママにあれほど置くなって言ったのに。


何度言っても、何度言っても、ママは玄関の上に置く。


あたしは、その雑誌を投げ捨てて、学校に行く為のローファーを履いた。


雑誌は玄関の隅に落ちると、寂しそうにしてあたしを見ている。


あたしは雑誌を睨みつけてから、玄関の扉を乱暴に開けた。


たちまち、眩しいほどの太陽の明かりが降り注ぎ、全身で浴びる。


今日は晴れていた。


別に晴れていても、曇っていても、雨だったとしても、あたしには何の意味もない。


あたしは、庭を出てから通学路を歩き始める。



マスクをそっと口元につけた。



今月の生理は酷い。