「嘘だな」
次の瞬間、刃物男ははっきりと言い切った。
「佐久間リクくん。これではっきりしたよ。君が知らないって事は……実に残念だ」
「何でだよ。知ってるよ! 俺はそいつの事を知っている!」
刃物男は、オカマ野郎に手振りで何かを指示する。
すると、オカマ野郎はニコリと笑ってから牢獄の外に出ていった。
「これまでに何度もこうして嘘をつく人間を見てきた。君の嘘は実に下手くそだ。佐久間リクくん。これですっきりしたよ」
「ユウカ……ユウカだけは家に帰してくれ!」
氷のように冷たくて、そして人間身のない刃物男の振る舞い。
そんな化け物に、俺は媚びてでもユウカだけは助けたいと思っていた。
「お願いします。何とかユウカだけは許してやってください。俺にできる事なら何でもします」
いくら涙を流しても、頭を何度下げても、刃物男は煙草に火を点けて、もう俺の事を見もしなかった。
それから5分ほどすると、牢獄の中にオカマ野郎が戻ってきた。
運び込まれるワゴン。
その上には、手術で使うような大量の器具が並べられていた。
