「もう一度、同じ質問をしよう。佐久間リクくん。君は庵瀬マモルくんの代わりに来た? そうだろ?」
必死に抵抗をするつもりで、俺は思いっきり刃物男の顔に唾を噴きかけた。
こんなのドラマや映画でしか見たことがなかったけど、本当に腹が立って、それでもどうしようもない時、人間ってこういう行動をするんだなって逆に冷静な気分になったよ。
顔面に衝撃が走り、視界が大きくぶれる。
俺は大きく横転して、床に勢いよくぶつかった。
すると、刃物男は乱暴に俺の事を起こしてくる。
「いいねえ。その威勢だけは買ってあげよう。だけど、次に同じ事をしたら、てめえの腕をひきちぎるぞ」
息が荒い。
こんな時に浮かんでくるのはユウカの顔だった。
ごめんな。
ユウカ。
きっと、酷い目にあわされてるよな。
そんな事を想像すると、悔しさが込み上げてきて余計に涙が溢れてくる。
「質問を変えよう。寧ろ、本題はこっちだ。君と庵瀬マモルくんは美木堂レンを知っているだろう?」
美木堂……?
