目が覚めたのはどれくらいの時間が経過したのかわからないけど、とにかく冷たさを全身に感じてだった。
視界に映るのは薄暗い牢屋内。
鉄格子と、黒ずんだ床、それから牢屋の中を照らす頼りない灯り。
どうやら椅子に縛り付けられているらしい。
まいったな。まさか、こんな事になるなんて。
次に、目が覚めた原因は、目の前に立っている男が俺に水を浴びせたからだってわかった。
刃物男だ。
その隣には、知らない別の男が立っていた。
金色の短髪が印象的で、細い体つき、独特の仕草は一目でそれとわかるもの。
顔に濃い化粧をしているのが、まさにその証拠だった。
「あらぁ。やっぱりアタシの好みの顔じゃない」
そいつは俺の事を見下ろしながら、満面の笑みを浮かべた。
刃物男はそんな男の言葉を無視して、俺に向かって言った。
「目が覚めたか。佐久間リクくん」
俺は返事をせず、ただ相手の事を睨みつけた。
