しかし、殴りかかったはずの自分の視界がぐるぐると回って、衝撃が走ったってわかったのは3秒ほど時間が経ってからだった。
床に仰向けの状態になって、視界には天井が映し出された。
頬に走る痛み。
刃物男に殴られたみたいだ。
「何で……俺たちの事を……」
刃物男はソファからは立ち上り、俺の事を見下ろしていた。
「そんな事はどうでもいいんだよ。大事なのは君の事だ。佐久間リクくん」
「うぐっ」
振り上げられた足が俺の腹部に直撃した。
腹に強烈な痛みが走り、嘔吐感が胃の中から込み上げてくる。
「俺も警察に取り調べられたくはないんでね。マモルくんじゃなかったのはちょっと残念だが、これはしょうがないよな。君が決めた事だ」
俺は痛みに襲われながら、床で暴れまわった。
全身に帯びる熱。頭が働くはずもなく、どうにか体を動かすことしか考えられない。
「おっと。部屋に入ってから3分が経過した。もうそろそろ出ないと本当にまずいな。一つだけ、はっきり言える事がある」
刃物男は俺の事を人間とは思っていない。
「君の人生はここで終わったということだ」
まるで、そこらへんに落ちているゴミを見るかのような目をしていた。
