「いいか? 何も知らずに人間カードの世界に足を踏み入れた事を後悔しろ。佐久間リクくん」
刃物男は俺の目を真っ直ぐ見ている。
鋭さは増して、喉元にナイフを当てられているような感覚にすら思えた。
こいつに仲間が居て、ユウカは連れ去られたのか?
そうだ。そうに違いない。
俺はポケットに手を突っ込み、スマホを操作して音声録音機能を立ち上げた。
これはボタン一つでできるから、いざという時に何かの役に立つと思ったんだ。
何かあった時のために……。
「あの女の子の事なら安心しろよ。うちでたっぷり可愛がってやるから」
刃物男は、下品でいやらしい笑みをした。
「いいか? ユウカに何かしたらお前を殺すぞ」
すると、刃物男は俺に煙草の先を向けてきた。
「テメエ。どの面下げて、俺にモノ言ってんだ?」
白紙の人間カードは、ユウカが持っている。
連れ去られたなら、俺にできる事は一つ。
力づくしかない。
