これで刃物男が答えなければ、持ってきていない可能性があると踏んでいい。
落ち着け。
最近はネットで何の情報でも拾える時代だ。
俺の事を偶然どこかで知った可能性だってある。
何なら大学の関係者って可能性だってゼロじゃないんだ。
刃物男は首をかしげながら話した。
「そういう問題じゃねーんだよな。佐久間リクくん」
ガタンッ!
その時、部屋の廊下の方から大きな音が聞こえてきた。
俺は音に反応して、思わず刃物男から視線を逸らして廊下の方を見てしまう。
「きゃあああああ」
響き渡るユウカの悲鳴。
しかし、次の瞬間にはその悲鳴も途切れ、室内は再び静けさに満たされた。
「ユウカ!?」
「おい。取引の時に相手から目を逸らすなよ」
どういう事だ?
完全にうろたえた瞬間だった。
ユウカに何があった?
足を進めるにも、何故か刃物男の側から離れる事ができない。
刃物男に視線を戻すと、二本目の煙草をくわえながらこう言った。
「弱みを握られるぞ」
頭の中は完全に真っ白になっていた。
