ブチっと音を立てて、俺は自分のイヤホンを取った。
同時に通話状態になっていた電話も切る。
刃物男の目つきは、一瞬前までとは別人になっていた。
貫くように鋭く尖った目つきは、変な言い方だけどカタギじゃないようにって言葉が一番合っていると思う。
俺はそんな瞳を今までに見たことがない。
圧迫感があり、嘘をつけない瞳。
自分なりに瞬時に考えて、俺は耳につけていた小型のイヤホンを取ったんだ。
これは正しい決断のはず。
向こうに言われた通りに従った形だけど、関係をこじらせる前にそうした方が良い。
刃物男から醸し出される威圧感のせいだろうか?
室内の空気は張り詰めて、息をするのも苦しくなるほどの重々しさが漂っていた。
俺は自分の息を一度飲み込んでから口を開く。
「失礼しました。初めての取引で色々と不安な面があって」
ごまかすよりは素直に謝っておいた方がいいだろう。
この場においてイヤホンをしているなんて、どう考えてもおかしいからな。
俺は刃物男の様子を窺った。
