「もちろんです。その代わり、女性の顔には期待しないでくださいね」
俺は、冗談を交えながら刃物男と会話した。
自分の特技は自慢じゃないが、誰とでも親しくなれるところだ。
アルバイトの面接に使う履歴書には、必ずと言ってもいいほど書いている。
「いえいえ、こちら側は女性に需要があるので本当に助かります」
淡々とその言葉を発した刃物男の瞳に、俺は寒気を覚えて背筋がゾクっとした。
最初に会って話した時のインスピレーションは、向こうは何の作戦もないんじゃないか?
疑いすぎだったんじゃないか?
って、マモルの作戦はオーバーだったんじゃないかって思ったんだよ。
でも、その一言が自分の中で妙に居心地が悪かった。
何故なら、その言葉には嘘が全く隠されていなかったからだ。
女性に需要がある。
それを言い切れるほどの何かが裏に隠されているんだろう。
「俺らも男性の方が需要は高いんですよ」
とにかく、俺は刃物男がユウカに話しかけないようにするので必死だった。
