喫茶店を後にして、俺とユウカは刃物男に接触した。
想像していたよりも清潔感があり、普通のサラリーマンと同じような印象だった。
こんな人間が本物の人間を買ったり売ったりしているなんて……。
きっとマモルも同じ事を思っているだろうな。
人間カードになる。
その光景をユウカに見せれば、勝利は確定するんだ。
そんなに難しい作業じゃない。
刃物男を適度に挑発しながら、俺が人間カードに閉じ込められるだけだ。
エスペラントにまで歩く道のり。
自分が今までに経験した事がない緊張感に満たされているのがよくわかる。
「ホテル代は俺が出しますよ。初めてなものでちょっとお金に余裕を持ってきたんです」
向こうに隙を与えたらいけない。
自分なりに自然に、そして相手にナメラレナイように大げさなほど明るく振る舞ってみた。
イヤホンからマモルの吐息が聞こえてくる。
アイツも緊張することなんてあるんだな。
それがわかると何だか笑えてきて、緊張が少しほぐれた。
