「キャー!」
初めに悲鳴をあげたのは、助手席に坐っている母でした。赤い車を指さしたまま、片方の手で自分の目を押さえています。
「何?どうしたの?」
母に声をかけながら赤い車の方に目をやった私と姉も、思わず抱き合って叫び声をあげていました。
赤い車の窓から三人の若い女の人がこちらを覗き込むように見ているのです。顔からも髪の毛からも血を滴らせて……。
車の窓は赤黒い指紋で汚れていました。
3人の女の人は窓を叩きながら、何か叫んでいます。高速道路の上ですから、その声がはっきりと聞こえるわけはないのですが、その口の動きと、わたしの頭に直接響いてくるような叫び声で、
「こいつじゃない、こいつじゃない」
と言っているのが、私にはわかりました。
赤い車は再度スピートを上げ、そして、あっという間に視界から消えていきました。
初めに悲鳴をあげたのは、助手席に坐っている母でした。赤い車を指さしたまま、片方の手で自分の目を押さえています。
「何?どうしたの?」
母に声をかけながら赤い車の方に目をやった私と姉も、思わず抱き合って叫び声をあげていました。
赤い車の窓から三人の若い女の人がこちらを覗き込むように見ているのです。顔からも髪の毛からも血を滴らせて……。
車の窓は赤黒い指紋で汚れていました。
3人の女の人は窓を叩きながら、何か叫んでいます。高速道路の上ですから、その声がはっきりと聞こえるわけはないのですが、その口の動きと、わたしの頭に直接響いてくるような叫び声で、
「こいつじゃない、こいつじゃない」
と言っているのが、私にはわかりました。
赤い車は再度スピートを上げ、そして、あっという間に視界から消えていきました。


