空は青く澄み渡り、高速道路を走るほかの車も、のんびり走っているように見えます。



「なんだ、あの車、やけに飛ばしてるな」
父がバックミラーを見ながら、独り言のように呟きました。




後部座席にいた私と姉が反射的に後ろを振り返ってみると、少し後方の赤い軽自動車が何度も追い越しをかけながら、ぐんぐん近づいてきます。



「あんな小さな車、そんなにスピード出ないはずなんだけどなぁ」
父がそういうので、父の肩ごしにスピードメーターを見ると、110㌔を超えていました。



後ろから近づいてくる、赤い軽自動車の勢いを見ると150㌔、いえ、180㌔くらいは出ているのではないかと思うほどでした。
赤い車はぐんぐん追いついてきます。そして私たちの車に追い越しをかけるとスピードをゆるめ併走を始めたのです。