「そうなの?
実はわたし水泳の経験ないんですよ
だからマネージャーとして、ここにいるんです」
彼女は照れ臭そうに笑った。
「マネージャー…」
「選手のタイムを記録したり、
選手の柔軟の手伝いとか
泳いでる姿見てると、こっちまで泳ぎたくなるんですけどね
マネージャーの仕事もなかなか楽しいですよ」
中学ではなかったマネージャーという仕事に
わたしは少し興味を抱いていた。
『きゅーけーーーーい!』
部長と思われる人の声が響く。
次々と選手がプールサイドへとあげっていく。
「わたし、みんなにタオル渡してきますね」
そういって彼女は真っ白なタオルを抱えて選手のもとへ駆け寄る。
「水泳部どう?」
突然後ろから声をかけられた。
「えっ」
ジャージ姿の男の人だった。
