「ちょっとくらい自信もって歩きなさいよ」 わたしを心配したのか 母親は笑い飛ばして言うけど わたしには無理なことだった。 推薦なんてもらえっこない。 内申点も決していいとは言えないし。 「お母さん、わたしやっぱり…」 「見学するだけでもいいんだから。 せめて説明聞いてから帰りましょ?」 どこか強気な母親はわたしをおいてスタスタ歩いて 説明会場へと向かう。 新築のきれいな校舎を目の前にすると 足がすくんでしまう。 重たい足を思い切って前に出す。 息をひとつ吐いて会場に入る。