キンセンカ〜別れの悲しみ〜

と、次の瞬間。

「篠原侑です!」

…え。
今、私の方に向かってウィンクした?

慌てて顔を背ける。
いや。気のせいよね。

自意識過剰、私ってば。

何か、とても盛り上がっているようだけれど、
何も入って来なかった。

「よろしく!」
「篠原、ありがとう。みんな、仲良くしてくれ!」


私は。
顔を上げられない。
本当は、ウィンクなんかよりも鋭い眼差しが、なんだか怖くて。

「なぁ、顔、赤いぞ。だいじょぶか。」

…は?

「…う、うん。シノハラユウ。」
「なぜにフルネームだし。まぁ、いいけど。」


もう。
何が何だか。
私に話しかけないでよ。
クラスの女子が怖いよ。
幸い、誰にも気づかれてないようだけど。