キンセンカ〜別れの悲しみ〜

「あの転校生、ちょーかっこ良くない?」
「教室のドアから入って来たときびっくりしたよ。」
「本当に。同じ制服なのに、なんでこうも違うんだろう~?」

よく見なかったな。

「いいなぁ、カコ。あんなかっこいい人と席がとなりで!」
「えっ。あ、あ、そうだね。あはは…」

身長は高いと思った。
だってあの風景を隠してしまうんだもん。

「なにぃ~?喜んでない?まだぼーっとしてるな、カコ。」
「し、してないよ!うんうん、確かにかっこよかったねー。」
「『ほら篠原、桐生の隣。座れ。…おーい、桐生。あれ、桐生?くそ、あいつ。。』って、先生が言ってるのにぼーっとしちゃってさぁ。」
「本当に。あの時クラスの女子全員があんたの方向いてたよ!
それよりやだ、神谷のものまね上手すぎるよ。」
「嬉しくないよ!」
「あはは。」


今日は一日、この話で持ちきりだろうな。
めんどうくさいよ。
でも、ここまで騒ぎになるのは久しぶりだな。
そう、
狭山くんがうちのクラスになったと分かった4月以来。
狭山くんはアイドルをしていて、ほとんど学校には来れないのだけど。


キーンコーンカーンコーン…

チャイムがなり、散って行く女の子たち。
こういう時ってより一層女子は固まるよね。

…そんなにかっこいいなら拝んでやろうじゃないの。