すると、とつぜん、
見知らぬ男が空いていた私の左隣の席に座る。

そしてその男は、くす、と笑った。


え。

どういうこと。

私の頭にははてなマークがたくさん浮かぶ。

「転校生だって。」
と、ヒナの声。

「へぇ。」
「リアクション薄っ。」
「あ、あは。ごめん。」

もう一度彼を見る。
その男は背が高く、
私の大好きな窓の景色を半分くらい隠してしまっていた。

一番窓際の一番後ろに座る彼が羨ましい。

あれ。…なんか、私冷静だな。



でも、クラスの女の子たちは冷静ではなかった。