俺は昨日この学校に転校してきた。
そして、一目惚れをした。

桐生夏子。

先生が俺に、隣に座るよう言ったとき、君は俺を見向きもしなかったね。
正直、こんな経験初めて。
俺を見ない人なんていなかった。
甘い言葉の一つ囁いて笑顔を見せれば落ちない人はいないのに。

最初は、なんだあいつって思ったさ。
人が紹介されて、隣に座るってのに、会釈の一つもしないでさ。

…でも。
窓の外を眺める君の姿が、
痛いほど切なくて懐かしくて、愛しくて。

席につくとき、笑いかけてみた。
けど、君の頭の中にははてなマークが並んでいたらしい。

クラスが俺によって盛り上がるのもわからないくらい、
何を見ていたの?
何を探しているの?
…何が苦しいの?

俺が、窓を隠してしまうと、
君は、さらに切ない表情になる。


自己紹介のときにアピールしまくったり、
先生から、お仕置きを食らった君を利用して話しかけたりしたけれど、嫌になるくらいよそよそしくて。



そして今日の朝会っても、
話しかけるなっていうし。


君といると、
俺のペースを乱される。
ラブホリックな俺なのに、うまく会話ができなくなる。


…でも絶対に君を、落としてみせるよ。