今日も、いつもの道を歩く。

そしていつもの電車に乗って、
いつものお友達と会って、
いつもの学校に行く。


…と思ったら。

「はよーっ」
「わぁっ。シノハラュ…ユウくん。…おはよう。」

いつもと違う人に話しかけられた。

「お前、くっらい顔。」

だって最寄り駅までは誰とも会うことないし。
いいじゃない。
1人でぼーっとする時間も必要よ。
…って。

「…え?なんでこんなところに?」
「なんでって、学校に行くんだよ。」
「ち、近くに同じ学校の人いると思ってないから。」
「…最寄り駅、一緒みたいだな。」
ユウくんは、ふ、と笑った。
…厄介なことになる。

「…ね、お願いがあるんだけど、あの…明日から、わたしに会っても話しかけないでほしいな。その、、なんて言うか…」
「うーん、嫌だ。なんでクラスメイトに会って無視しなきゃならないんだよ。しかも家近いのに。」
そう言って悲しい顔をする。
でもでも、面倒臭いことになりたくは…
「あの。…やっぱりいいや。そうだよね。ごめんね、変なこと言って。あはは。」
…なんだろう。
この人の前だとうまく話せない。
作った感情を言葉に乗せるなんて、
ずっとずっとしてきたことなのに。
やっぱり私、ユウくんが…

嫌い。