私はもう一度夢見る、もう誰かを失うことを恐ることなく前へ進む。

裕太に会えなくなるとしても…
栗野社長と別れ、姉に電話を掛けた。

〈プルルルル…はい?〉
〈あ、お姉ちゃん?〉
〈莉奈どうかした?〉
〈私…決めた〉
〈えっ?〉
〈もう一度…モデルをする〉
〈莉奈〉
〈だからさ、お姉ちゃん私に気を使わなくていいから潤くんとより戻してよ〉
〈莉奈……〉
〈わかるよ、だって姉妹だから今でも好きなんでしょ?
好きなら、好きって言わなきゃ伝わらないよ?〉
〈莉奈……〉
〈来週空いてる日ある?〉
〈う…ん〉
〈事務所に契約しに来てって言われたから〉
〈莉奈……強くなったね〉
その言葉が何より嬉しかった。
〈ありがとう〉
〈じゃぁ、土曜日その事務所の前で待ち合わせね〉
〈うん…〉
そう言い私は電話を切った。