季節は、夏が終わろうとしている。

私は都内にある寺の墓場にやってきた、ここの住職さんは若いのにいつも周りのことを見てる。
「やぁ、莉奈ちゃん」
「あ…お久しぶりです…神内さん」
「少し、痩せた?」
「えっ、そうですか?」
神内さんに言われるならそうなのかもしれない。
「話変わるんだけど、今日隣町で撮影があってるみたいだよ」
「そうなんですか?」

私は神内さんに別れを告げ、ひとつの墓場の前に来た。

2009年8月20日
七瀬 沙織 永眠17歳

沙織…久しぶり、元気?
葬式行けなくてごめん。苦しいよ貴方が私の前から消えてすべてが変わった、どうして私をかばったの?
「なんで…沙織…どうして私をかばったの、自分の命より」
「莉奈ちゃん?」
「神内さん」
「……」

「私ダメだね…強くなれたと思ったのに、全然よわいや」
すると涙が止まらなかった。

私は、その足で隣町まで歩いた
するとカメラのフラッシュが見え眩しかった。

ふと、その眩しい方に近づくとそこにいたのは裕太達だったこの時まだ私は涙の理由を知らなかった。
なぜ涙が流れ、どうしてこんなに悲しいのか。
裕太の撮影しているところを見ていると何故か遠く感じた、何故か涙が溢れ止まらなくて唖然として私もあんなふうになりたいと思った。