私は、裕太に手を引かれながら駅に向かった。
いつもと変わらないはずなのに今日の裕太が凄くかっこよく見える。
桜城に着くと人がいっぱいだった。
「手、離すなよ?」
「う…うん」

裕太と居るだけで胸が熱くなる……君はいつか私の隣から居なくなるのだろうか?
「莉奈…?」
「な、何?」
「チュ」
そうリップの音を立てた。

「な、なんで!!??」
「ぼーっとしてたのが悪い」
「ねぇ…裕太…」
「何?」
「祐太は好きな人居る?」
「うん、居るよ」
「そうなんだ…」
出店の前のベンチで休憩すると、裕太が「なんか、お腹好かない?
買ってくるからここで待ってて」
と言って、どこかへ行ってしまった。
それから数分たった頃だろうか?
「姉ちゃん、1人?
俺らと遊ばない?」
「一人じゃないです、人待ちです」
「いいじゃん、そんなやつ放って置いて遊ぼうよ」
「や、離して」
「あ?」
するといとも簡単にその人の手から私の手首は解放されて今何が起きてるのか理解できていなかった。
でも目の前にいるのは汗で濡れた裕太の髪、急いで来てくれたのかな?
それが凄く嬉しくて裕太の触れるところが熱くて、鼓動が止まらない。
周りの雑音できっと聞こえない…
「好き…」

そう聞こえた自分の声でやっとわかった