「太輔が行きたいところならどこでもいいよ」
「どこでもって…そろそろ昼だし、ランチでも食べに行く?」
「うん」

俺が向かったのは、最上階のカフェレストランだ。
窓際に座りメニューを頼んだ。

「ねぇ…た、太輔…」

「ん?」
「太輔は、今彼女とかいる?」
「えっ…」
「ほら、太輔かっこいいしお洒落だしモテるから私なんかといていいのかなって」
「彼女はいないし、今は凪沙といたいから」
「えっ…」
「お待たせしました」
「ほら、食べよ」
「ん、頂きます…」
「凪沙は今何してるの?」
「今は…専門学校で、服のデザインを学んでる」

太輔…私、そんなこと言ったら期待しちゃうよ?
そんな惑わすようなこと言わないでよ。ふと、莉奈の言葉が過ぎった。
「凪沙は、太輔先輩以外の人に告白されたら付き合えるの?」
莉奈…本当はね、私怖いの太輔がどこかへ行ってしまうんじゃないかって。
「な…?」
「…」
「凪沙!」
「へ?」
「もー、聞いてなかったのかよ!」
「ごめん」