「マスターも性格が悪いですね」
真斗が楽しそうに笑った。
「そう言うな…これは俺からのプレゼントだ…美雨ちゃんゆっくり味わえよ」
私の目の前に出されたソーサー型のグラス。
綺麗な青色の液体につかるかわいくカットされたフルーツがたっぷり入ったフルーツポンチ。
わぁ〜
「いいんですか⁈」
「美雨ちゃんのために作ったからね。……真斗にはこれだ」
真斗の前にはカクテルのブルームーン。
軽くウインクして席を離れていく。
「真斗も一緒に食べようよ」
「いや…美雨が食べればいい」
カクテルを見つめる目は真剣だった。
「じゃあ、いただきます」
メロン、スイカ、パインにキウイ……
奥底に光る…リング⁈
うそ…これって。
真斗の顔を覗く。
「返事は?イエスだよな…」
「……うん」
「幸福の瞬間だな」
えっ…
マスターが横から楽し気に声をかけてきた。
「その通りです…いただきます」
真斗は、頬笑みを浮かべカクテルを飲みほした。
予想外の素敵なサプライズは私をトキメかせる。
こんな幸せな瞬間が来るなんて、まだ先だと思っていた。
準備をしてくれたマスター
内緒に進めていた真斗
素敵な瞬間をプレゼントしてくれてありがとう…