賢吾は呆気にとられ、諦めて帰って行ったのに美雨との距離を感じる。

機嫌が悪く、乱暴な飲み方だった。
まさか、賢吾と…
だが、美雨は追いかけなかった。

美雨の気持ちを確かめないと…俺は前に進めない。

腕を掴み無理やり、店から彼女を連れ出した。

痛がる彼女に

「じゃあ、これならいいか⁈」

と掴んでいた手を解き手を繋いだ。

頬を染め戸惑う彼女を見ていると笑みがこぼれる。

少しは脈があるかもと…

抱きついてくる彼女を優しく腕の中で抱きしめた。

「みう…」

期待していいのか⁈


少し背を伸ばしスーツの襟にしがみつき、唇に触れるキス。

突然の美雨からキスに繋いでいた手と腰に回した腕に力を入れ、倒れないように抱きしめキスを堪能する。

ただのリップキスなのに俺を誘惑しだす。ここで止めてなかったら俺は路上で押し倒してたかもしれないぐらい、美雨とのキスは刺激的だった。

美雨を初めて俺の部屋に連れていくのは
彼女の心に悠がいても忘れさせると誓ったから…俺のテリトリーで彼女を俺で埋め尽くすほど抱きたかった。

俺の醜い独占欲だ。
こんな部分が俺にあるなんて彼女は知らない。

気づかずにいてほしい。