影同士がキスしてるように顔を寄せ砂浜に映るカップルの記念写真を撮った。

その姿は、未来の俺たちであってほしい

俺は、決心した。
美雨を俺に振り向かせると。

だから、美雨の耳元で
『来週、コンフォルトで待ってる』


その前に片づけないといけないことがある。

あの女…

マンションの前で待ち伏せていた。

「悪いけど…君の気持ちには答えられない。だから、こういうことをされたら困る。わかってほしい」

素直に引き下がっていく女。
俺は、油断していた。

まさか…ずっとつけられていたとは気づかずにいた。


金曜

美雨が来るのを待っていると賢吾が現れた。ここに美雨を誘ったと言い、浮かれている。

ぶち壊してやる。

美雨がやって来て嬉しそうに賢吾は俺を美雨に紹介しようとする。

だが、
『美雨、こっち座れば…』

いつもの彼女の席に置いておいた鞄をずらし座るように促した。

驚いている賢吾の前で美雨の右腕を引っ張り自分に引き寄せ

「賢吾…手を離せ」

美雨は俺のものだと言わんばかりに威嚇する。

賢吾の手が緩んだ瞬間、グッと腰を掴まえ密着させた。

俺のだという意思表示だ。