食事が終わっても無言が続き、どちらともなくお皿を片付けだす。
「……洗うから、真斗は着替えに戻らないと……」
ぎゅっと背後から抱きしめられる。
「ま、真斗⁈」
「……行ってくる。仕事終わったら迎えに行くから待ってて」
………
ただ、頷いた。
これは、昨日のことを心配してくれてるから言ってくれてるんだ。
でも、心のどこかで心配してくれるならそれでもいいから真斗との時間をほしいと欲が出る。
いつ、どこで彼女との時間を作っているのかわからないけど…この数日、夜はずっと私を選んでくれていることが嬉しい。
彼女から真斗を奪いたい。
どうすれば、私だけの男になる⁈
なんてね…
生涯一緒にいたいと思う相手だから結婚
をするのに、ただの飲み友達の私がそんな人相手に私が勝てるはずがない。
体を重ねたって、それは一時の気の迷いであって、そこには未来がないとわかってる。
だから、絶対、私は愛を囁かない。
言葉に出したら、私は真斗から離れなくなる。
体だけでいい…
別れが来る日まで私を愛して……
真斗を見送り、仕事に向かう。
杉本さんは変わらず辛辣な態度だが、それ以上何かしてくる気はないようだ。



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