「嘘よ……だって一緒に飲んだあの日、私にだけ優しくしてくれたじゃない。その後も、話しかけてくれたのはどうして⁈私が好きだからでしょう⁈」
必死になって真斗に詰め寄る。
「……これだけ言ってもわからない馬鹿な女だとはな……『んっ…あっ……はぁ‥ん』」
抱いていた肩を引き寄せ、彼女に見えるように唇にキスをしてくる真斗に困惑する。
どうしてなの⁈
杉本さんも田近さんも見ている前で‥キスするの⁈
すぐに深くなっていくキスは激しくて、
目の前にいる2人の存在を忘れていく。
リップ音を立て離れる唇…が言葉を放つ
「キスしたいと思うのもこの腕の中で鳴かせたいと思うのも美雨だけだ」
唖然としている彼女と呆れている田近さんまで赤面していた。
もちろん…私も
頬がとても熱いもの。
「……もう、いいわ。手を離して田近さん」
田近さんは、杉本さんの声に一瞬躊躇するが彼女の手を離した。
「ここまで言われたら私は引くしかないじゃない…彼女を選んで後悔すればいいわ」
捨てゼリフを吐いて杉本さんは帰っていく。
田近さんは苦笑し
「先輩、間に合ってよかったですね‥」



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