結局、週末は真斗の部屋で過ごしてしまった。
いつ部屋に来るかわからない真斗の恋人に、私は嫉妬しながら何度も身をゆだねた。
今、ここに彼女がやってきたらあなたはどうするの⁈
彼女が来てめちゃくちゃになってしまえばいい。
こんな最低な私が奥底にいるなんてあなたは知らない。
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結局、彼女は現れなかった。
真斗の彼女は週末も仕事を持つ女性なのかもしれない。
でないと、金曜の夜に私と飲んでいるなんておかしいもの。
彼女が現れなかった疑問に答えを出して私はいつものように仕事に向かった。
週はじめの月曜はいつも憂鬱。
また、長い5日間が始まるから……
朝の更衣室
珍しく彼女、杉本さんから話しかけてきた。
「前園さん、おはよう。週末何してたの?」
「……おはようございます。…週末ですか⁈」
突然、なんだろう⁈
私の私生活なんて興味がないくせに、詰め寄ってくる。
「そう…誰といたの?」
真斗……とだけど。
彼氏でもない男…
「友達といました」
「友達⁈」
「はい、それがなにか⁈」
「ふーん…友達ね」
冷たい視線を浴びせてくる彼女。



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