奥の部屋のドアは開いたまま、私が歩みを進めるのを待っているようだ。
私は意を決しブラウスのボタンをひとつひとつ外して脱いだ。
肩から手を滑り降りパサッと床に落ちたブラウス、スカートのファスナーを下ろし歩みとともに床に落ちていく。
下着姿のまま奥の部屋に足を踏み込んだ。
瞬間、跳ねる体
そこはベッドの上で、私の体に真斗が覆いかぶさる。
「いいんだな⁈」
コクンと頷けば、ネクタイを外しながら首筋に落ちてくる唇と甘い吐息。
「もう、俺は我慢しないから覚悟しろ」
今だけでいいから、あなたを私に刻んでほしい……
我慢しないと宣言した男は、何度も私を貫いた。
部屋に差し込む月の光が朝日に変わるまで、男は『まだだ』と何度も堕ちた私を引き上げ高みへと押し上げる。忘れることができないほど刻まれた体が悲鳴をあげても貪欲に求めてきた。
気がついた時には、お昼を過ぎていて真斗の腕の中。
ねぇ、真斗
私、勘違いしちゃうよ。
腕の中は心地よくて愛されていると勘違いしてしまう。
愛されてなくてもいいと思っていても…
触れ合ってしまえば欲が出て、ワガママな私になる。
真斗の心が欲しくて涙が流れた。



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