あなたに恋してる


「ふっふぁ…っ、あっ……んっん」

離れない唇は熱を持ち、熱く腫れている。暗闇に目がなれ暗い玄関でも顔がわかる距離にある男と時折、視線が合うたびに男の色気を含んだ瞳に体の奥が戦慄く。

もっともっと欲しくてしがみつきキスを深めていく。

どれだけの時間触れていたのかわからないほどお互い夢中になり体が火照る。

唇が離れ乱れた呼吸を整えている私の唇に男の指が触れる。

「腫れたな…」

「……」

私も男の唇に指を触れてなぞる。

その指を啄み、口に含んで見つめられると触れる指は熱く火傷したかのようにジンジンとして沸騰したお湯のように身体中がさらに熱くなった。

「…あっ」

「キスだけで終われない」

抱きしめていた体が離れ、考え深けの男は奥に続くドアを開けて私を見た。

「お前に選ばせてやる。そのドアを開け出ていけば今まで通りの関係だ。だが、このドアよりこちら側に来たらもう俺は容赦しない……どうするか決めろ」

「…………」

ここまで来て帰るわけがない。

ゴクンと唾液を飲み、ヒールを脱いだ。
そして歩いた先は真斗の目の前……男はさらに奥へ進み寝室であろう部屋に消えた。