あなたと触れ合いたい。
彼女さん
ごめんなさい…
少しだけでいいの
私に3年分の片思いを実らせて……
真斗に愛してるって言わないから、私に真斗を刻ませて……
歩いて大きな橋を渡ると川沿いにあるマンション。
エレベーターに乗れば狭い密室。
2人だけの空間に鼓動が速くなる。
繋いだ手からこの鼓動が伝わるかしら⁈
ねぇ…真斗
あなたも私と同じように緊張している⁈
そうだとうれしい…
グッと引き寄せる真斗の腕の中。
私の頬に手を添え、熱い眼差しを向ける男は妖艶に口元を弛める。
ただ、見つめ合う時間は時が止まったように流れていた。
ポン…
エレベーターが止まり開く扉が時間を動かす。
開いた空間に吸い込まれるように、自然と歩みを進める。
一つのドアの前で歩みを止めた男は、鍵を差し込みガチャンと開けるとドアノブに手をかけドアを開いた。
何気ない動作なのに私の心は高鳴る。
そのドアの向こうで未来のない2人が体をつなぐ…
それは、彼にとっていっときの欲情
私にとって…それは…………
今は、考えるのをやめよう。
心も体も真斗を求めているのだから…
後悔のないように心の赴くまま身を任せよう。



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