会計を済ませ私の腕を掴み引っ張って店の外に出た。
「痛い…」
「じゃあ、これならいいか⁈」
掴んでいた手のひらをとり、手を繋いでくる真斗に唖然として言葉が出ない。
な、なに…
どうして手を繋いでくるの⁈
平静を装おうとする私の顔を覗き込み真斗が微笑む。
きゅんと高鳴る胸…
こみ上げる愛しさで思わず真斗に抱きついてしまった。
優しく包んでくれる腕に期待したくなる……
頭上から甘く優しい声色が…
「みう…」
あなたを好きになりすぎたせいで私は冷静な判断ができない。
真斗……結婚するんでしょう⁈
頭の中で警報が鳴ってるのに止められない思いがある。
今だけ……このままでいたいと思ってしまう。
お願い……今だけ
真斗の心を私に頂戴……
今だけ…私を愛して……
スーツの襟にしがみつき、少し背伸びをして真斗の唇に触れるキス。
グッと繋いでいた手と腰に回された腕に力が入り、私の体を支えてくれる。
触れた唇は、私の下唇に吸いつき、甘噛みしてゆっくりと確かめるように何度も角度を変えて触れてくる。
リップキスなのに体が熱くなるのは、好きな人だから…
止まらないキスを止めたのは真斗。



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