あなたに恋してる


苛立ちを見せた真斗が手首をそのまま引っ張り腕の中に閉じ込めた。

聞こえきた言葉の意味を理解する前に初めて触れる真斗の肌が頬に当たって緊張している私。

ドキドキする鼓動が伝わらないように体が触れない距離で踏ん張るのに、簡単に
距離を縮められ触れてしまう。

どうして⁇

顔をあげればうなじを押さえられ身動きが取れない。

「……離して」

せつなくつぶやくと……

「離さない」

一瞬のうちに唇を奪われてぎゅっと体中を抱きしめてくる。

離れない唇が熱を持ち、大胆にどんどんと攻めてきて抵抗する気力を奪っていく。

貪るように何度も角度を変えて口内を侵略しだす舌は、私を捉えて離さない。

呼吸する吐息も奪うように吸いついてきて、意識が朦朧としてくるのにそれでも離れない唇。

体中の力が抜け落ち真斗に体を預けてしまうとふわっと浮いた体は、岩場に腰掛けた真斗の膝を跨いで乗っている。

あまりにも恥ずかし態勢に身動きして逃げようとしても、ガッチリとホールドされた体は動けない。

「やっ…は‥なして」

キスの合間に言葉を発しても許してくれなかった。

どれだけの時間をかけてキスしていたのだろう⁈