「美雨、こんなところ女の子2人で来るなんてだめじゃないか…変な奴もいるんだから何かあったらどうするんだ」
相変わらずなお兄ちゃん。
「子供じゃあるましどれだけ過保護なの⁈」
えみりの毒舌にムッとしつつも大人のお兄ちゃんは優しく答える。
「美雨じゃなくても女の子がそんな水着を着てたらどんな大人の男だって目がいくんだ。見ているだけなら害はないけどなかにはよからぬことを考える男もいるんだよ。男の力には女の子は勝てないんだから気をつけないとね」
悩殺と意気込んでいたえみりもお兄ちゃんの冷静な口調に口を閉ざしてしまった。
お兄ちゃんはいつも正論を言って人を黙らせる。
「ここなら大丈夫だから一緒にバーベキューをして楽しもう」
背中を押されえみりと輪の中に合流させてもらった。
でも、真斗の横には行けなくて悠ちゃんの隣に座ってしまったけど…悠ちゃんは綺麗な女の人にべったり。
もしかして彼女さんかな⁈
えみりをさがせば、なぜかお兄ちゃんの横。
楽しそうにしているから邪魔はしない。
行き場のない私は、少し輪の中から外れた場所に座って海を眺めていた。
すると、ドサッと横に座る影は真斗だった。



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