ダイニングバー

【コンフォルト】


いつものようにカウンターの角に座る。


ここは私の定位置


「美雨ちゃん、いらっしゃい」

いつも爽やかに出迎えてくれるマスターの笑顔に癒される。

「マスター…いつもの」

「了解…」


しばらくしてでてきたキンキンに冷えた生ビールと生ハム。

うーん、これよこれ…

疲れた身体と心をリセットするように奥へと沁みていく……

ぐびぐびと呑みほすと自然に出る声

「……おいしい」

「どこのオヤジかと思ったら美雨だったか」

クスクスと笑いながら私の左隣りに座り声をかけてきた男は、私の幼なじみの山城 悠。

「うるさいな…どんな飲み方したっていいでしょう」

「そんなんだからお前はいつまでたってもガキなんだよ。ちっとは女らしく飲めよ」

お腹の奥底に響くぐらいの低い声の男に胸がざわつきながら、ムキになる私。

「はっ、ガキ扱いしないでよ」

いつものように私の右隣りに座り暴言を吐くその男は成宮 真斗。

私が、恋している人。


「ふたりともいらっしゃい…いつものでいい?」

「こんばんは…マスター、美雨の分もお願いします」