これだけじゃ、愛してるの理由にならないかしら…
会いたいよ。
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猛暑真っ只中の日曜
なぜか真夏のビーチにいる。
元気のない私を車で連れ出してくれたのは、3年間苦楽を共にした親友。
高坂 えみり
「ねぇ…なぜ海なの⁇」
「決まってるじゃない…海といえば、出会いよ。3年間も週末を過ごして連絡先も知らない、なんの進展もない男を思うより新しい男でしょう」
「そんな気持ちになれないわよ」
「自分から行動を起こす気もないならやめな…私があんたの立場ならお兄さんから悠ちゃんづてで真斗に連絡を取るよ…」
「私だってそれは考えたわよ。だけど、今更どんな理由をつければいいのかわからないもの」
「難しく考えなきゃいいのに…あんたはなんでも真面目に考えるから仕事もうまくいかないのよ」
うっ…嫌なこと思い出させないでよ。
私のことをわかってくれるえみりだから
こんなことを言ってくれる。
でも、人付き合いはむずかしい。
真斗は、精進しろと諌めてくれたけど、絡まってしまった人同士の糸はたやすく解けない。
ねぇ…真斗
私を怒って励ましてよ。
「美雨…今日は楽しんで憂さ晴らししよう」



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