あなたに恋してる


もう…いつもこうなんだから……

「わかったから…そんな顔しないでよ」

「ご機嫌直りましたか⁈お姫様」

胸に手を当てたままおちゃらけた。

昔から私が拗ねたりするとご機嫌をとる為にお姫様扱いをするのは変わらない。

ニコッと笑って私を手懐ける。

そして、聞きたかったことをうやむやにされたまま悠ちゃんは帰ってしまった。

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相変わらず、仕事場の雰囲気は居心地が悪い。

私をなぜか目の敵にしている杉本 瑠美さんの嫌味には心が折れそうだった。

「あなた、こんな簡単なこともできないでよく資格が取れたわよね。あなたみたいな役立たずじゃなくて別の子が入って来てくれればよかったのに…」

女しかいない職場は平気で人を傷つける。

言葉を返せば、彼女を余計苛立たせるだけだから…

できない私が悪いのだからとグッと我慢した。

「こんにちは」

そこに…大和薬品さんが頼んでいた薬品
類を届けに来てくれた。

いつも爽やかな笑顔で配達してくれる大和薬品の田近さん。

「こんにちは…田近さん。いつもありがとうございます」

彼女の表情と声のトーンが一瞬で変わった。