あなたに恋してる


無言のままカウンターの上にお金を置くとお店を出て行ってしまった。

呼び止めても振り向いてもらえない。

「…悠ちゃん、追いかけなくていいの⁈真斗、怒って行っちゃったよ」

「別にいいんじゃない…なんなら美雨が追いかけたら…素直に戻ってくるんじゃないかな⁈…」

なんで私?

確かに最初は、真斗と私の言い合いだったけど…今のはどう見ても悠ちゃんが原因だと思うよ…わかってるのかな⁈…

「呼び止めても振り向かないのに、私が追いかけても来ないよ。ちゃんと仲直りしてね」

「……美雨は、まだまだ半人前だね。早く大人になってあげないとオヤジどころかおじいちゃんになっちゃうよ」

ニコニコと意味のわからないことを言う悠ちゃん。

「どう言う意味⁇私が半人前なのはわかってるけど…
誰が⁇
なんで⁇
おじいちゃんになるの⁈」

「…ウーン、それは答えれないな」

「ケチ、いじわる…悠ちゃんのバカ」

思いついた言葉を並べぷくっと頬を膨らませ拗ねてみる。

「ひどいな…俺は美雨の味方なのに…傷ついた」

傷ついてもいないくせに胸に手を当てて悲しんむ素振りは大袈裟で、上目遣いで見つめる瞳は笑みを含んでいてる。