「そうそう、あんまり茜を甘やかしちゃ駄目ですよ、せんぱーい」
「そんなこと言われても……」
普段は遅刻常習犯の茜。
一人暮らしで大学からは近いものの、
始業時間に着席している確率はかなり低い。
そんな彼女がわざわざ早起きしてまで助けを求めてきたとなると、
あまり無下にも出来ないのだ。
「先生が来るまでの間だからね」
「やった、ありがとう先輩!」
まだ大学生とはいえ、給料をもらって働いているとなるとあんまり適当なことも出来ない。
それに、あんまり格好の付かないこともしたくない。
誰に聞かれても最終的には
ちゃんと相談にのるようにしている。

