高校生と大学生の差は、果てしなく大きい。 アルバイトを心置きなく出来るし、 一人暮らしを始める人もたくさんいるし、 なによりも深夜まで遊んでいても怒られない。 私は国公立の受験戦争に敗れた人の多くが進学する、 県内二流の私立大学に進学した。 さほど大きくもないその大学は、 今日も田舎にひっそりとたたずんでいた。 風で落ち葉がカサカサと音を立てる中、 冬の朝特有の澄んだ青空を見ながら万谷は大学の門をくぐる。 その後を追うように冷たい風が吹き抜けていった。