電車に乗り込み、空いている席を探す。
幸運なことにひとつ空いている席があった。
腰を下ろすと、待ちかねて片手に持っていたイヤホンを早速スマートフォンに差し込んだ。
そのまま毎日眺めていたブログへと手早く接続する。
接続中を示す上部の青い線に気持ちがはやる。
早く、早く。
そのブログは、やっぱり前日にも記事の投稿があった。
律儀にコメント一つ一つに返信していることも変わらない。
これからこの人の声が聞ける。
そう思うと数日我慢していた分、期待が高まっているのを自分でも感じた。
さっそく万谷は、ボイスの再生ボタンに指を押しあてる。
ザ、ザザ…というマイクのノイズが数秒した後、声が聞こえた。

