でも、今は違う。 あたしの頭の中には、五十嵐くんの無邪気な笑顔が浮かんだ。 ・・・一本ぐらい抜いちゃってもいいよね? 多少の罪悪感はあったものの、あたしはゆっくりと花を抜いた。 「・・・好き、嫌い、好き、嫌い、」 ポツリポツリと言葉にしながら、花びらをとっていく。 その花は見た目より花びらの数が少なくて、あっという間に残り二枚となる。