よく見ると、彼は空を見ている。




その立ち姿でさえも絵になっていて、空がこんなに似合うのは五十嵐くんしかいないんじゃないかって錯覚してしまうぐらい。




でも、あまりにも身を乗り出して空を見ているため、道路を通る車との距離がスレスレなのだ。




首をかしげて、その姿を見つめていると、フッと嫌な予感が頭をよぎる。




も、もしかして、空にいる大切な人を思って、自殺するつもり・・・?



そんなのやだよ・・・!



五十嵐くんいなくなっちゃうなんて、いやだ・・・!




気付いた時には、走り出していた。