「ーーーごめん」 息を切らして、教室の扉の前に立っている五十嵐くんがいた。 その姿を見たら、さっきの感情なんてどこかに吹き飛んでしまった。 「放課後になると、いつも女子に追われるから、逃げてて遅くなった。言い訳かもしれないけど」 困ったように表情を崩す彼に首をフルフルと横に振った。 「いや、あたしのほうこそ、手紙なんか、入れちゃってごめんなさい」 「なんで、君が謝るの?」