早く気づいてよ、俺の気持ちに。




あたしの脳内で、五十嵐くんのバカがぐるぐると回り、こだまする。





「もう君って人は、行動で察してよ」





はぁ、と大きくため息をついて、グッとあたしの胸の前にジャージを突き出した。





「君に風邪引いてほしくないんだけど。だから、俺のジャージに着替えて、試合出て」





再び、ジャージを突き出され、あたしはとっさにそれを握る。






五十嵐くんはそれを確認すると、すぐに背を向け、体育館へと戻ってしまった。