目をギュッと瞑って、左右に小さく首を振る。
「・・・席戻ろ」
ポツリ呟き、自分の席へ視線を向ければ、私の前の席で細目のあゆちゃん。
なんか、怖いんだけど気のせいだよね・・・?
恐る恐る自分の席へ戻ると、
「はぁ・・・、損したわ」
「・・・?」
「何かされてるんじゃないかって思って、損したってこと!」
「え、なんでそれが分かったの!?」
「チラッと見かけただけ、」
見かけたんじゃなくて、見に来てくれたんだよね・・・?
あゆちゃん・・・、心配してくれてたんだ。
「ありがとう!! 大好き!!」
くるりと方向転換し、授業の準備を始めるあゆちゃんの背中にそう告げる。
その背中は、ホッとしてるように見えた。


