早く気づいてよ、俺の気持ちに。





さっきも聞いた、すずが鳴っているような可愛らしい声。



目の前には首を傾げながら、あたしに尋ねる美人さん。


それは、いつも積極的に五十嵐くんに話しかけている人。


確か、先輩だった気がする。




先輩の綺麗すぎる笑顔に圧倒されて、あたしは、無理矢理、口角を上げる。




「は、初めまして、ですかね・・・」




あぁ、うまく笑えている気がしない。




「安永さん、だよね? 私は、望月杏里(もちづきあんり)って言うの」



「あ、はい・・・」



「安永さんに、聞きたいことがあるの」