早く気づいてよ、俺の気持ちに。





「あゆちゃん、行ってくるね!」



「あーうん、気を付けて」




と言いながら、あゆちゃんは教室の外を見つめどこか気難しそうな表情を浮かべている。




どうしたのかな〜?


気になるけど、後ででいっか!




足早に教室を出て、廊下を見回すとちらほらと人がいる。




「ねぇ、」




不意に左耳に届いた聞き覚えのない声。


そっちに振り向けば見覚えのある顔がちらほら。




もしかして、お客さんって五十嵐くんのファン?


じゃなくて、正真正銘、五十嵐のファンだ。





「初めまして、かな?」